助手席シートが回転する、あるいは車外にまで降りてくることで、車いすからの乗り換えが楽にでき、乗車もスムーズになる車両を昇降シート車と呼びます。店頭で現車を確認する際は、車いすをご利用の方に同伴していただくのが最良です。ここでは主に、基本機能の作動確認を中心に解説していきます。車種によって操作方法が若干異なりますのでご注意ください。
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操作手順書を確認する
福祉車両に特有の機能について、その使い方を解説するマニュアルやDVDが付属しています。中古車を購入する際は、これらのマニュアルがきちんと常備されているかどうかを確認しましょう。助手席グローブボックス等に収納されています。
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助手席ドアを開ける
助手席が回転シート、または昇降シートになっている場合、助手席側ドアが最大どの程度開くのかをまずは確認してみてください。最近では乗降時の利便性を高めるため、ドアがほぼ90度まで大きく開くことができるモデルが増えています。ドア開閉時は車両左側(助手席側)に乗り降りできるスペースを確保してから行うようにしましょう。助手席の傷や汚れもチェックして、許容できる範囲かを判断します。
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昇降シートを動かす
安全のためエンジンが停止していることを確認したら、助手席の座面左側にある作動スイッチを押してシートを動かしてみましょう。動きのスムーズさだけでなく、異音や異臭などが発生していないか等も確認します。またフットレストも展開してみましょう。
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乗り降りの確認
車いすに乗る方だけでなく、介護する方にとっても、このアクションは重要です。まずは昇降シートの隣に車いすを寄せます。実際に乗り降りする際、車両左側のスペースをどの程度確保しなければならないのか等を事前に確認しておきたいところです。昇降シートに乗り移る際、シートに荷重をかけてもガタついたりしないかどうかもチェックしましょう。
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昇降シートを格納
昇降シートに座り、スイッチを操作して車内に収納してみましょう。正しい姿勢で乗車した状態でスイッチを操作し、シートを格納していきます。最後までスムーズに作動するか、フットレストのガタつきがないか、頭や腕などが引っかからないか等を実際に確認してみましょう。
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バッテリー確認
昇降シートの作動は電動モーターで行っています。車両に搭載しているバッテリーが劣化すると各部への供給電圧が下がり、電動ウィンチや昇降シートの動作に支障をきたす可能性があります。整備記録簿(またはエンジンルーム内に搭載されているバッテリー)に記録されたバッテリーの交換日を確認して、交換時期が近いようであれば新品に交換するのが最良の方法です。